防雷設備(EPシリーズ)


EPの革命


エンバイロンメンタル・ポテンシャルズ社の(Environmental Potentials EP社)EP-2000は、電源周波数(60Hz、50Hz)の正弦波に重畳するサージ、スパイク、高周波ノイズ等の不規則で異常な電圧波形を、フィルターし、時間的に遅延させ、吸収するという動作原理に基づき開発されました。EP-2000は、電源周波数(50Hz、60Hz)波形の上に高いトランジェントまたはサージが表れると正弦波の電圧のピーク値より少し高い電圧でクランプする働きを持っています。

このクランプ動作により「トランジェントのピーク電圧とクランプ電圧との電位差」「EP-2000の本体内のクランプ素子のインピ-タンス」「サージの継続時間」の3要素によって決まる熱が発生します。この熱はジュールの単位で表されます。

ノイズとサージの吸収

従来からの一般的な高電圧スイッチング・サージを除去する方法として、金属酸化バリスタ(Metal Oxide Varistor : MOV)が使用されています。この素子(MOV)の電極間に高い電圧(過電圧)が印加されると、抵抗値が、非常に高い値から低い値に変動する特性を利用しています。この過電圧は事前に設定されたクリップ電圧(電源ライン・ピーク電圧の約10%アップ)でクランプされます。

サージ電圧がクランプされることは、言い換えるとクランプ動作で低くなった抵抗値のMOVにトランジェントと同じレベルの電圧が印加されるということです。結果として、高いインパルス電流が流れことになります。この高いインパルス電流は、リンギングテール(共振成分)を伴ってシステム回路にフィードバックされます。このインパルス電流は相線ラインに表れシステム回路の抵抗値が最も低い部分を駆けめぐることになります。
したがって、金属酸化バリスタ(MOV)は、非常に速い速度で上昇する「インパルス電流発生装置」と見なすことができます。
トランジェントやサージの過電圧によって生じるMOVによる電圧クランプ動作は、結果として発生したインパルス電流を電源ラインに雪崩のように流し込むことになります。

このようなトランジェント、サージ、高周波ノイズが電源ラインに引き起こす悪影響を防ぎ解決する方法は、これらを吸収し、熱として消散することにより、システム回路から除去することです。

図1 EP-2000のフィルターの特性:

  • EP-2000フィルタは7kHzがブレークポイント(カットオフ周波数)です。
  • 60Hzから7kHzまでは、3dB(1/√2)の減衰です。
  • 60Hzから70kHzまでは、20dB(1/10)の減衰です。
  • 7kHzから700kHzまでは、40dB(1/100)の減衰です。

グラフでは、周波数が高くなるにつれて、減衰率も高くなっていることに注意して下さい。
EP-2000は、電源ラインに重畳するあらゆるタイプのノイズに対しても、このような特性によって反応します。
ノイズ発生器と高出力アンプを使ってランダムなノイズを発生させ、EPフィルター回路のノイズ吸収力のテストを実施しました。テストに使用されたノイズは、一般の事務所や工場にある可変速モーター、DC整流器、インバータ、スイッチング電源、アーク溶接機等から電源ラインに流出するノイズと同じ性格ものです。

サージ耐量

EPユニットは電源ラインのピーク電圧を10%以上超過するトランジェントに対して作動し、除去します。ピーク電圧とは実効値(R.M.S)電圧の1.41倍の電圧です。
例えば、200Vrmsの電圧ラインのピーク電圧は282Vpeakです。
すなわち、EP-2000は、310V(ピーク電圧の10%以上)で、過電圧をクリップする動作を開始します。続いて、ユニットは、電圧、電流、ノイズの不規則な変化部分をフィルターの利用により、格納し、取り除きます。

このクリップ動作は、関連してリンギング又はリングウェーブを生じさせます。
EP-2000は他のアクティブタイプの電圧ゲートウェイよりユニークな方法で、このリンギングをキャッチし、取り除きます。
この動作におけるEP製品の大きな特徴は、あらゆるトランジエント又はサージイベントのdv/dtを削減することが出来ることです

上記のフィルターは、1.2/50μs 6kVの電圧、8/20μs3kAの電流を使用してテスト

EP-2000の利用

電力汚染の90%が貴方の事務所、工場の内部から発生しています。この汚染は、短い持続時間のトランジェント・サージント高周波ノイズの高速に上昇する電圧を、容量性及び誘導性の非線形負荷に与えることにより発生します。

各負荷及び「サブ・パネル」におけるこれらの影響を除去することは、同じパネルに接続されている周辺の設備への影響、ダメージを無くすことになります。

EP-2000は、屋外で発生する雷等の波形を表す下記のデーターを用いてベンチマーク・テストを実施しました。

  • IEEE C62.41カテゴリA1
    0.5μs×100kHz、2kV 、70A リングウェーブ
  • IEEE C62.41カテゴリB3
    0.5μs×100kHz、6kV、500Aのリングウェーブと波形の正のピーク時、ゼロクロス、負のピーク時のフィルターパフォーマンス。
  • IEEE C62.41カテゴリB1
    1.2/50μs 2kV と 8/20μs 1kAの組合せ波形(正方向のパルス)
EP-2000 SPECIFICATION & MODEL GUIDE
製品仕様 及び モデル
モデルタイプ EP-2000JA 単相 EP-2000JF 三相デルタ
回路解説 回路内ブレーカー → 過電圧クランプ回路(MOV)
→ スペクトラム・マルチプライアー  → 低域通過フィルター
→ 吸収・消散回路 (パラレル接続)
相線―中性線電圧 100/200V 200V(DELTA)
最大連続動作電流 該当無し(パラレル接続機器)
最大連続動作電圧(MCOV) 120Vrms 230Vrms
接続 ワイヤーリード
SPDの保護モード 相線-中性線 相線-相線
最大サージ電流 12,000Amps
ピーク電圧 400V 500V
クランプ電圧 相線-中性線 155V 相線-Ground 325V
EMI-RFI 60Hz~700kHz 40dB 減衰
安全基準 UL1449 2nd Edition TVSS Testing
CSA Standard Class 9091 14 & 9091 81
CSA std. c22.2 No.8-M1986
安全格付け Fire Rating 94V-0
適用環境 カテゴリーA & カテゴリーB
外形寸法 寸法:100mm、奥行き:123mm
重さ 1.2kg
材質 アルミ製筐体、LEDインジケータ
ワイヤー:14ga 600V
不良モードの際、構成回路を完全保護するため回路はエポキシで密封
ワイヤーサイズ、長さ 14ga、3フィート
アクセサリー 黄色LEDインジケータ電球(活線相)
応答速度 初期反応速度;±1ナノセカンド

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